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kiki亭日乗

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コントラバスのガット弦化 その2

今回は、ガット弦とは何かについて書き始めようと思う。


まず、それには弦楽器の弦について調べる必要がある。

弦楽器には基本的に2種類あり、撥弦楽器(爪やバチではじく)と、擦弦楽器(弓でこする)がある。


その両方の演奏スタイルにおいて、古来から使用されてきた弦がガット弦である。


当時は、なかなかプラスチックやビニール、金属などの加工が難しかったという事情があり、
ほとんど全て、何をするにしても、自然素材を利用していた訳だ。


弦、つまり、紐の起源としては2種類ある。

植物性(つまりシュロ縄や麻的なもの)と、動物性(アキレス腱や腸的なもの)である。


弓(武器)では麻や苧麻を使っているというのは、アジアではポピュラーであるし、
豚の腸を捩ってソーセージを製造するというのも伝統的である。


ガット弦は、一体何で出来ているのか。

一声、動物の腸である。


弦楽器によく使用されてきたのは、基本的に家畜由来となり、牛や羊がポピュラーである。


興味深いのは、1950年程度までは、弦といえばガット弦のことであり、
我々が普段親しむ、ジャズやクラシックの9割以上は、ガット弦の弦楽器の時代の音楽であるということだ。


特に、50年台のハードバップジャズは、ガット弦のベースサウンドによるところが大きい。

これからの記事で、この50年台の、JAZZとガット弦についての情報を共有していきたい。


当方のベースには、TORO社のガット弦を使用している。


現在、ガット弦のメーカーは、いくつかあるのだけど、ここでは、TORO社のガット弦の感想を軸に書いていきたいと思う。


まずは、TORO社の代理店でコースタルトレーディング殿の野村氏によるガット弦資料を参考頂きたい。
→リンク  ガット弦のお話


ガット弦について概要を学ぶための、素晴らしい資料である。


また、TORO社のガット弦制作動画も公開されているので、参考にして頂きたい。



屠殺された羊から腸を取り出し、一本一本、内容物を取り除く。

腸を裏返して裏、表、ともに洗浄し、太さ毎にまとめ、所定の湿度や水分量に調整する。


均等に数本まとめ、決められたゲージ(太さ)に成形し、ニスやコーティングを実施する。


なかなかの手間である。

金属弦とは比較にならない手間と時間と情熱が注ぎ込まれている。
by kikijazz2 | 2016-01-16 22:31 | ガット弦JAZZベース
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